民家探訪青森編

東北を拠点に営業職として各地のユーザーを訪問するようになっからでも17年になる。雪の東北道、それも北上周辺と盛岡から北上は毎回、緊張する。吹雪、通行止めは日常茶飯事。幸いこれまで、大きな事故に巻き込まれなかったのが幸いだ。
青森県で印象的だったのは、やはり私の場合、寺社建築模型の方から、民家模型の制作に入った関係からだろうか?鶴田、板柳、弘前周辺の林檎農家です。平入りで寄棟造りの可愛い煙出しの付いた民家、出し桁が二段、三段に伸びてきて寺社建築を思わせる民家。はじめて見たときは感動した。今も弘前周辺には、多くの茅葺きの民家が残る。

弘前、黒石の「こみせ」情緒たっぷりです。こみせのある通りは個人所有の土地らしく、固定資産税は個人で払っている。土地の人の心意気と言うか律儀さと言うか?暖かさを感じる。三八下北地方に行くと、茅葺の屋根は津軽地方と比べ一変する。素朴な芝棟「クレグシ」の民家が多くなる。この芝棟とは芝土を屋根の頂上の木枠の中に入れて、棟にする工法で、知らない人が一見した時は、朽ち果てた棟から、雑草が生えているように見える。しかしその素朴なたたずまいも捨てがたいものです。やはり風の影響を考えての芝棟の発展があったのでは?と思う。特に八戸周辺の風の影響は、相当なものらしい。
砂嵐で夏は戸を開けて居られないと、あるディラーの方から聞いたことがある。野芝も張る時期を間違えると、冬の風に飛ばされてしまうと聞く。殆どの民家が平入りの民家だった。

余談だが、私の自宅の床柱は八戸の隣町、百石町の上野床柱加工所にお願いした。北海道から一位〔青森、北海道では、「おんこ」と呼ぶ〕の木を取り寄せて貰い作ってもらった。鶴、亀、松竹梅を彫り込んだ見事な床柱です。この親父さんとの出逢いも忘れられない。ガラス越しに立派な床柱が見えたので、店に入ってみた。材料の事や価格の事を聞いて、私にも無理をすれば、買える価格だったので、北海道から材料を取り寄せ一本床柱を頼みたいと話した。親父さんは本気にしてくれなくて、大工さんと一緒に来い!こんな床柱が建てられる程、立派な家なのか?大方の建て主さんは、大工さんに予算が無い!と一喝されてオシマイダヨ?と言うから、私は福島県いわき市に家を建てるから大工さんは此方まで来れないから、大工さんが仕入れるのではなく、私が個人的に注文すると言う事ではどうですか?今日、手付金を支払いますよ!と話したら、本気なのか?と息子さんが身を乗り出し、それなら、こっちも本気でやる。価格はさっき話した価格より15万値引きする!結果送料込み一本35万と相成った。
その後、親父さんが脳梗塞で倒れ、今は、床柱を作っていない。私の自宅を建てた大工さんが、その床柱を大変気に入り親父さんが倒れる前に、百石の上野さんに桑の木を送り、床柱3本注文した。
私も親父さんが倒れてから、記念に在庫のエンジュの床柱を25万で買い求めたが、使う予定も無く10年が過ぎた。

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